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児童指導員は公務員?必要な資格や公務員試験の概要について

問題のある家庭から子どもを保護し、その生活を見守りながら育成・指導する児童指導員。
保護された子どもたちの健全な成長をうながし、自立できるよう手助けをする姿に憧れ、児童指導員をめざす方もいることでしょう。

児童指導員は、任用資格の条件を満たすことでめざせます。
そのうえで公務員試験に合格すれば、公務員として児童指導員の仕事に就くことも可能です。
今回は、児童指導員になるために必要な資格と、公務員試験の概要を詳しく解説します。

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児童指導員は公務員?

自治体が運営する施設で働いている姿を見て、「児童指導員は公務員なの?」と疑問を持つ方もいるかもしれませんが、すべての児童指導員が公務員であるわけではありません。
児童指導員とは、虐待を受けたり保護者がいなかったりなど、家庭環境に問題があり児童養護施設へ入った子どもたちのお世話をしたり、生活指導を行う職業です。

児童指導員になるための資格試験などはありませんが、条件を満たすことで取得できる任用資格が必要です。

児童指導員として公務員になる方法

児童指導員として公務員になる方法

職種で判断すると、児童指導員は公務員ではありません。
しかし、児童指導員が働く施設は公営のものが多く、一定の条件を満たして公務員試験に合格すれば、児童指導員として公務員になることは可能です。
児童指導員になるための具体的な方法と、公務員試験について詳しく解説します。

公務員試験を受ける

公務員試験を受けて採用されると、公務員として児童指導員になれます。
ただし、受験で満たさなければならない要件は各自治体によって異なるので、まずは必要な条件を確認しましょう。

例えばとある自治体の児童指導員募集要項では、次のような学歴・資格が求められます。

  • 社会福祉士
  • 児童指導員
  • 保育士
  • 民間企業などで働いた経験年数(直近10年中4年以上・直近14年中8年以上・直近18年中12年以上)

別の自治体の児童指導員募集要項では、次のような学歴・資格が必要です。

  • 児童指導員任用資格
  • 実務経験3年以上

上記2つの受験資格を比較すると、かなり内容に差があることがわかります。
公務員として児童指導員をめざすときは、必ず希望する地方自治体の募集要項を確認してください。

児童指導員の資格を取得する方法

各地方自治体の公務員試験を受けるとき、重要な応募要件になるのが児童指導員の資格です。
児童指導員は任用資格で、次のような取得方法があります。

  • 専門学校を卒業する
  • 社会福祉士の資格を取得する
  • 精神保健福祉士の資格を取得する
  • 大学・大学院で社会福祉学・心理学・教育学などを履修する
  • 教員免許を取得し厚生労働大臣または都道府県知事の認定を受ける
  • 高校もしくは中等教育学校を卒業し2年以上実務経験を積む
  • 3年以上実務経験を積み厚生労働大臣または都道府県知事から認定を受ける

それぞれの方法を、以下で詳しく解説します。

専門学校を卒業する

福祉系の専門学校で、子どもの福祉に関する知識を学んだり幼稚園教諭の資格を取得したりすると、任用資格を認められて児童指導員になれます。
ただし、福祉系の専門学校であればどこでも良いわけではありません。

対象となるのは、各都道府県知事や地方厚生局長などが指定した学校です。
子どもの福祉に特化したコースや、社会福祉・保育福祉・幼児教育などを学べるコースを卒業すると、児童指導員の資格要件を満たせます。
専門学校ルートを検討するときは、卒業してすぐに児童指導員の任用資格を得られるかどうか確認してください。

社会福祉士の資格を取得する

社会福祉士の資格を取得するのも良い方法です。
社会福祉士は福祉分野のスペシャリストで、専門知識と経験を活かして相談者と福祉の現場をつなげる役割を担っています。

社会福祉士は国家資格であり、これを有することで児童指導員に必要な知識があると判断されるため、資格要件を満たします。

精神保健福祉士の資格を取得する

精神保健福祉士も、児童指導員の資格要件として認められています。
精神保健福祉士は、精神障がい者の福祉分野に特化した資格で、国家試験に合格すれば取得可能です。

児童養護施設で保護される子どもたちのなかには、心のケアが必要なケースもあります。
精神保健福祉士の資格を取得していれば、傷ついた心を抱える子どもの気持ちにより深く寄り添えることでしょう。

大学で社会福祉学・心理学・教育学などを履修する

4年制の大学や通信大学などで、社会福祉学や社会学・教育学・心理学を履修できる学部・学科を卒業するのも、児童指導員の資格要件です。
海外の大学で学ぶ場合も同様で、社会福祉学・心理学・教育学など、社会福祉に関連する科目を履修すれば、資格要件として認められます。

現在進学先を検討中で、将来的に公務員として児童指導員の仕事をしたいと考えている人は、必要科目が履修できる大学を選ぶと良いでしょう。

教員免許を取得し厚生労働大臣または都道府県知事の認定を受ける

教員免許を取得している方が児童指導員をめざすときは、厚生労働大臣または各都道府県知事の認定を受けることで任用資格が得られます。
対象となる教員免許は以下のとおりです。

  • 幼稚園の教員免許
  • 小・中学校の教員免許
  • 高校の教員免許

なお、保育士は教員免許に該当しないため、この方法では任用資格を得られません。
保育士から児童指導員をめざす人は、2年以上の実務経験ルートで任用資格要件を満たしましょう。

高校もしくは中等教育学校を卒業し2年以上実務経験を積む

最終学歴が高校または中等教育学校の方は、2年以上の実務経験を積んで資格要件を満たすのも良い方法です。
乳児院や児童養護施設など、児童福祉事業で2年以上の実務経験があれば、最終学歴が高卒・中卒でも任用条件に該当します。

ただし、公務員試験の募集要項は各都道府県で異なるので、希望する地域によってはこの条件のみでは公務員試験を受けられないケースもあります。
公務員として働ける児童指導員をめざすときは、募集要項の条件をよく確認してください。

3年以上実務経験を積み厚生労働大臣または都道府県知事から認定を受ける

児童福祉事業の実務経験が3年以上ある人は、厚生労働大臣や各都道府県知事から認定を受けることで、児童指導員の任用資格条件を満たせます。
現時点ですでに3年以上の実務経験があるなら、この方法がおすすめです。

ただし、このルートはあくまで児童指導員の資格要件を満たすだけなので、公務員をめざす場合は募集要項の条件を満たさなければなりません。
3年以上の実務経験ルートから、公務員として働ける児童指導員をめざす方は、希望する地方自治体の募集要項をよく確認しましょう。

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公務員の児童指導員が働く場所

公務員の児童指導員が働く場所

児童指導員が公務員として働く場合、実際にどのような場所で働くのか気になる人もいることでしょう。
具体的な就業場所を挙げて、詳しく解説します。

児童養護施設

児童養護施設とは、児童福祉法第7条および第41条によって定められた、児童の保護と援助を目的とした施設です。
乳児を除いた保護者のいない児童や、虐待・その他の要因で保護が必要と判断された児童が入所し、自立できるよう指導やサポートが行われます。

児童養護施設で働く児童指導員が担当するのは、入所した児童の生活・教育・就職支援全般です。
2歳〜18歳までの子どもたちが共同生活を送る施設で、コミュニケーションを取りながら信頼関係を築き、自立へ向けた支援をします。

児童発達支援施設

児童発達支援施設は、児童福祉法で定められた、通所による発達支援を目的とした施設です。
発達に問題がある就学前の子どもたちが通い、年齢・知能レベルに合わせた指導を受けながら、基礎的な動作・集団生活への適応能力などを身につけます。

児童発達支援施設には、医療と連携している施設や訪問型の施設もあります。
どのような支援施設で働くかによって、児童指導員の役割も変わってきますので、希望する施設がある方は事前に確認してから応募しましょう。

障がい児入所施設

障がい児入所施設は、身体障がいや知的障がい、発達障がい、精神障がいを持つ児童を受け入れている施設です。
18歳未満の障がい児が対象で、食事や排泄・入浴などの日常的動作の介助や、知能や技能・コミュニケーション能力を身につけるための支援を行います。

障がい児入所施設で働く場合、児童指導員としての知識や技術だけではなく、介助のスキルがあるとさらに役立つことでしょう。

乳児院

乳児院は、養護が必要と判断された、原則として1歳未満の乳児を受け入れる施設です。
乳児の育成だけではなく、退院したあとの相談や支援まで、幅広いサポートを行います。

乳児院の目的は、保護された乳児が健やかに育つようケアをすることです。
そのため、虐待などで入院した子どもの保護者の様子を見て、必要であれば保護者を支援することもあります。
社会福祉士の資格や保育士で働いた経験などがあると、児童指導員としてより細やかなケアができるでしょう。

児童指導員は公務員として働ける職場もある

児童指導員は、大学や専門学校などで必要な科目を修了したり、教員免許や社会福祉士・精神保健福祉士の資格を取ることにより、任用資格が得られます。
免許や資格がなくても、児童福祉施設で2年以上の実務経験を積んで資格要件を満たすことも可能です。

公務員として働く児童指導員になりたい場合は、資格要件を満たしたうえで募集要項の条件に当てはまれば、公務員試験を受けられます。
児童指導員が公務員として働ける職場もありますので、任用資格と募集要項の条件をクリアして、公務員試験にチャレンジしてみましょう。

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執筆者について

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