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介護事務になるために資格取得は必要?おすすめの資格も紹介

介護事務の仕事に興味があるものの、資格取得の必要性や自分に合った資格の選び方などに疑問を感じる方は多いものです。
介護事務の資格について詳細を把握できれば、明確なキャリアパスを描きやすくなるのではないでしょうか。

そこで、今回は介護事務資格の種類やそれぞれの特徴、取得によるメリットなどについて解説します。
これから介護事務をめざされる方は、ぜひ参考にしてみてください。

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介護事務の資格の種類や特徴

介護事務の資格の種類や特徴

介護事務の仕事は無資格でも始められます。
しかし、専門的な知識・スキルが必要となるため、介護事務に関する資格・講座が数多く開設されているのです。
以下では、複数ある介護事務資格の種類や特徴について解説します。

介護事務の資格は民間資格であり、国家資格はない

複数ある介護事務の資格ですが、国家資格はなく、民間資格にあたるものです。
資格の審査基準を管理する運営団体によって、資格の名称や概要は異なりますが、いずれも介護事務に関する知識を有することの証明となるものです。

各資格で難易度や公共性、取得による優位性などに大きな違いはありません。

受験資格がなく、誰でも受験できる試験がほとんど

介護事務の資格には、受験資格が設けられていない場合がほとんどです。
多くの資格は、年齢や学歴、性別など関係なく、誰でも受験することができます。

また、年に数回試験を実施している資格もあります。
初学者やすぐに資格を取得したい方にとってめざしやすい資格といえるでしょう。

難易度が低めに設定されている

介護事務の資格は種類によって多少難易度が異なりますが、いずれも低めに設定されています。
各試験の合格率は50%から80%程度となっており、初めて介護事務を学ぶ方であっても、数ヵ月程度の勉強期間があれば十分に対応できるものです。

また、多くの資格では試験中に資料や教科書、ノートなどを閲覧できるため、専門的な用語をすべて暗記する必要もありません。

独学や通信講座で働きながら取得をめざしやすい

先に述べたように、介護事務の資格には特定の学部・学科の修了や実務経験といった受験資格がありません。
異業種で勤務されている方でも、通信講座や通学講座、独学などを通して学び、働きながら資格の取得をめざすことができます。

スクールの通信・通学講座を受講する場合、しっかり下調べをして自分の生活スタイルに合ったコースを選択することがおすすめです。
平日の夜間や土日、昼休み中などに受講できるコースを選ぶと、仕事と勉強の両立を図りやすくなるでしょう。

介護事務資格の資格一覧

介護事務資格の種類の一例として、以下があります。

  • ケアクラーク
  • 介護事務管理士
  • 介護事務認定実務者
  • 介護報酬請求事務技能検定
  • 介護事務(旧:介事管理専門秘書検定資格)
資格名称 受験資格 費用
ケアクラーク 中学を卒業している方すべて 6,900円(税込)
介護事務管理士 中学を卒業している方すべて 5,500円(税込)
介護事務認定実務者 中学を卒業している方すべて 5,500円(税込)
介護報酬請求事務技能検定 1. 日本医療事務協会が認定する介護事務講座を修了した者
2. 受験申請のあった高校・専門学校・短期大学・大学など
3. 受験申請のあった一般受験申込者
6,600円(税込)
介護事務 日本能力開発推進協会が定めた認定機関にて教育訓練を受け、すべてのカリキュラムを修了した者 5,600円(税込)

ケアクラーク

ケアクラークは、試験の出題範囲が広く設定されている介護事務の資格です。
介護事務に関する知識の他にも、医療における知識や障がい者・高齢者の心理、コミュニケーションのスキルなどについても問われます。

受験資格は設けられておらず、学科・実技ともに7割以上を得点することによって、合格となります。

試験概要

  • 試験日程:年に3回(1月、5月、9月)実施
  • 試験費用:6,900円
  • 試験方法:試験当日の午前中、宅急便にて財団より送付された試験問題を受け取る。解答後、試験日の翌日までに解答用紙を指定の宛先に郵送する。試験日当日・翌日の消印は有効。
  • 試験内容:
    ○ 学科:介護事務などに関する択一式の問題(25問50分)
    ○ 実技 :介護報酬の請求(2 問 60 分)
  • 受験資格:特になし
  • 受験場所:在宅

出題範囲

学科では、介護事務に関する知識はもちろんのこと、コミュニケーション学や介護保険制度、医学などに関する幅広い内容が出題されます。
また、実技では居宅・施設サービスにおける介護給付費明細書の作成を行います。

介護事務管理士

介護事務管理士は、受付や請求業務、レセプト点検などにおける知識・実践的なスキルがあることを証明できる介護事務の資格です。

合格基準は学科・実技それぞれで6割以上、かつすべての問題において合計8割以上を得点していることとなっています。
合計の得点率が高くても、学科・実技いずれかで6割未満の得点である場合は不合格となるため注意が必要です。

試験概要

  • 試験日程:毎月第4土曜日翌日の日曜日に実施
  • 試験費用:5,500円
  • 試験方法:試験日の3日前に試験問題が届く。解答後、試験の提出期限日までに解答用紙を指定の宛先に郵送。
  • 試験内容:
    ○ 学科:介護報酬の請求や介護保険制度、介護用語などに関するマークシート形式の問題(10問)
    ○ 実技 :レセプトの点検問題(2問)
  • 受験資格:特になし
  • 受験場所:在宅

出題範囲

学科試験で問われることは主に以下となります。

  • 介護保険制度・介護報酬の請求といった法規に関する知識
  • 介護給付費における明細書の作成や単位数の算定、介護用語といった請求事務に関する知識

また、実技試験では居宅サービスや施設サービスなどにおける介護給付費明細書を作成するにあたって必要な知識・スキルの有無を問われます。

介護事務認定実務者

介護事務認定実務者は、他の介護事務資格と比べると合格基準は低く、6割を得点することで合格できます。
不合格になってしまった場合でも試験日から6ヵ月以内であれば再受験が可能であるため、初めて介護事務を学ぶ方にとっても取得しやすい資格といえるでしょう。

試験概要

  • 試験日程:毎月第4日曜日に実施
  • 試験費用:5,500円(認定機関の受講生が団体受験をする場合は5,000円で受験が可能。)
  • 試験方法:
    ○ 在宅受験の場合:試験の前々日に問題用紙が送付される。解答後、試験日の翌営業日までに用紙を返送。
    ○ 団体受験の場合:認定機関の指示に従い受験。
  • 試験内容:
    ○ 学科:請求事務や介護保険制度などに関するマークシート形式の問題(20問)
    ○ 実技 :レセプトの作成に関するマークシート形式の問題(2問)
  • 受験資格:特になし
  • 受験場所:一般的に在宅での受験となる。ただし、認定機関の通学受講生は試験日にスクールの教室などにて受験が可能。

出題範囲

学科試験では、介護保険制度と請求事務に関するさまざまな事項が問われます。
例えば介護保険制度に関しては、制度の仕組みはもちろんのこと、要介護認定や医療保険制度との関係、給付管理業務などについても知識が必要です。
また、請求事務に関しては、居宅や施設、地域密着型それぞれのサービスについて問われます。

実技ではレセプト作成に関する選択式の問題が2例出題されます。

介護報酬請求事務技能検定

介護報酬請求事務技能検定は、介護報酬の請求に関する知識・技術があることの証明ができる資格です。
ケアマネジャーが作成する資料を理解したり、利用者様・ご家族の方から来る料金面の相談に対応したりするうえで役立ちます。

受験には、協会認定の講座の受講や、在籍する学校経由での受験申請といった一定の条件をクリアする必要があります。

試験概要

  • 試験日程:偶数月第3日曜日
  • 試験費用:6,600円
  • 試験方法:会場受験。資料や教材、ノートなど持ち込み可能。また、電卓の使用も可能。
  • 試験内容:
    ○ 学科:正誤問題(25問)
    ○ 実技:レセプトの作成(2題)
  • 受験資格:
    ○ 日本医療事務協会が認定する介護事務講座を修了した者
    ○ 受験申請のあった高校・専門学校・短期大学・大学など
    ○ 受験申請のあった一般受験申込者
  • 受験場所:会場受験

出題範囲

学科試験では介護保険制度の仕組みや介護報酬、給付管理業務などに関する知識を問う正誤問題が出題されます。
また、実技試験では居宅サービス・施設サービスそれぞれのレセプト作成を行います。

介護事務

介護事務資格は、介護事務や接遇、事業所の運営に関する知識があることを証明できる資格です。
この資格の特徴は、協会が認定する教育機関の講座を修了しておく必要があることです。
資格取得後は、この教育機関より就職活動のサポートを受けることができます。

試験概要

  • 試験日程:講座修了後、随時受験が可能。
  • 試験費用:5,600円
  • 試験方法:講座修了後、協会に受験を申請。後日、送付された試験問題を解答。受験日は指定されておらず、好きなときに解いて良い。
  • 試験内容:
    ○ 学科:介護保険制度の概要や介護に関する基礎知識、メンタルケアに関する問題
    ○ 実技:介護報酬請求事務の問題
  • 受験資格:日本能力開発推進協会が指定する教育機関のカリキュラムを2014年5月1日以降に修了しており、カリキュラム開始後から1年以内に受験していること。
  • 受験場所:在宅

出題範囲

学科試験では介護保険制度や介護の基礎知識、利用者様やご家族、現場スタッフのメンタルケアなどの知識・スキルを問われます。
また、実技試験では、介護報酬請求事務に関する問題が出題されます。

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介護事務資格は独学でも取得可能

介護事務資格は独学でも取得可能

専門的な知識が問われる介護事務資格ですが、独学でも取得できます。

介護事務資格はすべて民間資格であり、国家資格と比べると難易度は低く、受験資格が設けられていない場合がほとんどです。

異業種から介護事務職をめざす場合でも、多くの資格では専門科目を履修したり、特別な実績を積んだりする必要がないのです。
仕事や家事、育児の合間に徐々に学習を進めていけば、誰でも資格取得をめざすことができるでしょう。

また、どの資格も数ヵ月程度の勉強で合格をめざすことができ、試験中は資料やノート、教材を見ても良い場合がほとんどです。
試験勉強にかかる負担が少なく、自分のペースで学習を進めやすくなっています。

介護事務の資格を取得するメリット

介護事務の資格を取得するメリット

介護事務の仕事をするうえで、必ずしも資格を取得する必要はありません。
しかし、資格にはスキルアップや転身、就職活動などに役立つといったメリットがあります。
以下、それぞれのメリットについてお話しします。

就職活動を有利にできる

無資格でも介護事務員として働くことはできますが、基本的な知識がある人材のほうが採用されやすいものです。
基本は人物重視の採用が行われますが、複数からの応募があった際には、資格の有無が選考の決め手となる場合もあるでしょう。

また、資格の取得は介護事務職への熱意を相手先に伝えるうえでも有効です。
就職活動をスムーズに進めたい場合、介護事務の資格は取得する価値のあるものでしょう。

なお、一部の講座には資格取得後の就職活動をサポートしてくれるものもあり、効率的に就業先を見つけられる場合もあります。

介護事務の知識が身につく

介護事務資格の試験で問われる内容は、介護保険制度や請求事務、レセプトの点検・作成など現場で役立つものばかりです。
実践的な知識・スキルを身につけておくことで、ケアマネの作成した資料の意味を理解できたり、現場のスタッフにいち早く打ち解けることができたりします。

介護事務員としてスムーズなスタートを切りたい場合、事前に資格を取得しておくのがおすすめです。

介護職からの転身やスキルアップも

介護事務の資格は、介護職からの転身や介護士としてのスキルアップにも役立ちます。
介護保険制度や要介護認定、介護報酬に関する知識は、介護の実務と深く関連するものであるためです。

例えば、介護職から介護事務職に転身される場合、すでに介護の実務を知り尽くしているため、介護分野未経験の場合よりもスムーズに介護事務の仕事を理解することができます。
また、介護事務に関する知識を身につけることで、介護士として携わっている実務を多角的に理解することができ、仕事へのモチベーションにつなげることもできるでしょう。

私生活でも役立つ

介護事務の資格を取得することで身につけた知識は、私生活にも活かすことができます。
なぜなら、超高齢化社会である昨今、ご家族・自身の介護は避けて通れない課題であるからです。

介護事務の資格で学ぶ介護保険制度の仕組みは、介護サービスを利用するうえでも知っておく必要のある内容です。
介護サービスを利用する手順やサービス内容が適切であるかどうかなどを判断する際に、介護事務資格の取得は大いに役立つことでしょう。

介護事務の資格を取得して、就職やスキルアップに役立てよう

ここまで介護事務資格の種類や内容、取得によるメリットなどについて紹介してきました。

介護事務について学ぶことは、介護事務員としての職務や就職活動に有意なだけでなく、介護士の仕事や私生活においても役立つものです。
これから介護事務員をめざす方の他にも、介護士の方やご家族の介護をされている方にとっても、取得する価値のある資格といえます。

また、介護事務の資格は、一部国家資格のような厳しい受験資格がなく、誰でも合格をめざしやすいものです。
通信や通学、独学などから自身の生活スタイルに合った勉強法を選び、資格取得をめざしてみてはいかがでしょうか。

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執筆者について

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