視能訓練士は眼科分野のスペシャリストとして活躍できる国家資格です。
資格を取得するには国家試験に合格しなければなりません。
そこで、今回は視能訓練士国家資格の難易度や合格率、試験を受けるための条件などを詳しく説明します。
これから視能訓練士になりたい人はぜひご覧ください。
目次
過去5年|視能訓練士の合格率
過去5年の合格率は90%台で推移しています。
年 | 合格率 | 受験者数 | 合格者 |
2018年 | 97.7% | 910人 | 889人 |
2019年 | 98.2% | 834人 | 819人 |
2020年 | 96.1% | 837人 | 804人 |
2021年 | 91.1% | 850人 | 774人 |
2022年 | 91.8% | 842人 | 773人 |
参考:第48回視能訓練士国家試験の合格発表について|厚生労働省~第52回視能訓練士国家試験の合格発表について|厚生労働省
合格基準は総得点の60.4%の点数です。
169点満点で、102点以上の得点で合格となります。
合格率だけを見ると、受験者の9割以上が合格しているため、一見難易度が低いようにも見えます。
難易度は下記でも詳しく解説しますが、受験資格があるため受験するまでの努力が必要です。
学校別|視能訓練士の合格率
視能訓練士国家試験の合格率は、学校によって大きく差があります。
その違いは、学校の試験対策の充実度や、受験人数による影響があります。
受験者数50人以上の学校の合格率を表にしました。
学校名 | 合格率 | 受験者数 |
帝京大学医療技術学部 | 95.7% | 92人 |
大阪医療福祉専門学校 | 93.9% | 82人 |
日本医歯薬専門学校 | 87.9% | 66人 |
東京医薬専門学校 | 89.8% | 59人 |
愛知淑徳大学 | 86.5% | 52人 |
受験者全体で見ると、大学か専門学校かの差はほとんどありません。
いずれも90%前後の高い合格率になっていますが、個別にデータを見ると、合格率が100%の学校もあれば、60%程度の学校もあり大幅に差があります。
ただし、校内試験に受からないと受験ができない 条件を設ける学校もあり、一概に合格率が高い=合格をめざしやすい、とは言い切れません。
どのような試験対策を取り入れているかなども考慮したうえで、入学する学校を決めましょう。
視能訓練士の難易度は高い?低い?
前述した合格率の表では、合格率90%台で推移しており、試験自体の難易度は高くないと考えて良いでしょう。
そのため学校での授業をしっかり受講し、学習していれば問題なく合格できます。
しかし、受験するまでに努力が必要で、受験資格の3年間学校に通う義務があることや、学校によっては校内試験に合格しないと受験許可が下りないケースもあります 。
国 家試験は1年に1回です。
もし今年受験できなかったら、次回は来年に持ち越しになります。
それらを考慮すると、視能訓練士の試験を受けること自体が難しいと考えることもできます。
合格率は低くないので、学校に入学ができ、なおかつ受験許可が下りて受験できれば、視能訓練士になることは難しくありません。
日頃の勉強を怠らないことが大切です。
視能訓練士資格の試験概要
視能訓練士の国家試験を受験し合格することで、視能訓練士になることができます。
受験資格や出題科目、試験当日のスケジュールは基本的に毎年変わりありません。
しかし1年に1回のみの開催のため、準備をしっかりしましょう。
視能訓練士国家資格の試験概要を説明します。
受験資格
視能訓練士の国家資格には、以下のような受験資格があります。
- 高校卒業後、視能訓練士養成校で3年以上修業し、必要な知識と技術を習得する
- 大学・短大・看護または保育の養成校などで2年以上修業し、指定の科目を修めたあと、視能訓練士養成校に入学し1年以上修業する
- 外国の視能訓練士養成校を卒業または外国での視能訓練士に相当する免許を所持し、厚生労働大臣に認定される
高校を卒業してから視能訓練士をめざす場合は、「1」が最短ルートです。
社会人や外国での経験がある方は、自分の経験を確認しましょう。
3年間通学しなくても、視能訓練士の受験資格を得られる可能性があります。
出題科目
試験の出題科目は以下のとおりです。
- 基礎医学大要
- 基礎視能矯正学
- 視能検査学
- 視能障害学及び視能訓練学
眼の機能や構造、疾患に対する必要な検査や訓練など、ほとんどが眼に関する問題で構成されます。
ただし、「基礎医学大要」では眼以外のことも出題され、人体の構造や機能、心身の発達や加齢などが問われます。
当日のスケジュールと出題方法
試験は1日、午前午後の各2時間ずつで、間に昼休憩を挟みます。
- 午前 10:00〜12:00(75問)
- 午後 13:30〜15:30(75問)
昼休憩は1時間半あるので、昼食を済ませたあと、午後の試験に向けた最後の確認ができます。
出題形式はマークシート です。
一般問題は1問1点(129点満点)、臨床問題は1問2点(40点満点)で、合計169点満点の配点です。
視能訓練士は日々の勉強の積み重ねが大切
学校で日々まじめに勉強し、視能訓練士の受験資格を得られれば、資格は取得できます。
試験自体の難易度は高くないため、日頃の積み重ねが大切です。
今回は視能訓練士の合格率を中心に詳しく解説しました。
医療の発展にともない、今後需要の高まりが期待される資格です。
もし視能訓練士に興味があるのなら、学校の資料請求だけでもしてみましょう。
自分に合う学校を見つけて、視能訓練士をめざしてください。