臨床心理士の資格は、大学院まで修了しなければ取得できません。
資格取得にあたり、「満足のいく収入を得られる?」「臨床心理士で生涯食べていける?」と疑問を持つ方もいるでしょう。
そこで以下では、臨床心理士の平均年収や勤務先ごとの給料の違いを詳しく解説します。
目次
臨床心理士の平均年収
臨床心理士の平均年収は、350〜500万円 です。
年収は、勤務地や雇用形態、勤務年数によっても異なります。
<地域別平均年収>
東京 | 432.9万円 |
神奈川 | 510.2万円 |
埼玉 | 504万円 |
大阪 | 438.1万円 |
福岡 | 450.6万円 |
愛知 | 470.4万円 |
富山 | 410.8万円 |
北海道 | 519.1万円 |
沖縄 | 346.3万円 |
臨床心理士の勤務先は、病院の精神科やメンタルクリニック、学校などさまざまです。
雇用形態は正社員だけではなく、パート・アルバイトや派遣などもあります。
正社員の給料は月給制がほとんどで、パート・アルバイトや派遣のような雇用形態の場合は時給制もしくは日給制が一般的です。
臨床心理士の平均年齢は39歳 で、精神科医や看護師、臨床検査技師などの職種と比べると年齢層が若い傾向にあります。
臨床心理士の仕事に関しては以下の記事をご覧ください。
医療・福祉分野での臨床心理士の年収目安
臨床心理士の活躍の場として一般的な医療・福祉分野での年収目安を紹介していきます。
クリニックや病院の場合
クリニックや病院に正社員として採用された場合、臨床心理士の月給目安は20〜30万円で、年収目安は300〜500万円です。
クリニックや病院ではパート・アルバイトの求人も多く見つかります。
その際の時給目安は1,500円から、高いものでは時給3,000円程度のものも。
勤務先によっては昇給制度が採用されており、昇給できるチャンスもあります。
臨床心理士の資格を持っていれば、未経験者でも就業できるところも多く、ブランクがあっても就業に支障が出ることはありません。
地方の病院やクリニックの求人では、臨床心理士の資格の他に普通自動車運転免許証も求められるケースもあるので、事前によく確認しましょう。
児童デイサービスの場合
児童デイサービスで正社員として働く臨床心理士の月給目安は25万円前後で、年収目安は300〜500万円です。
なかには正社員の他に、パート・アルバイトの求人もあり、時給目安は1,500〜2,000円前後です。
クリニックや病院で働く場合と同様、臨床心理士もしくは公認心理師の資格を持っていれば未経験者やブランクがある人でも就業のチャンスがあります。
勤務時間は午前9時〜午後19時までのシフト制が多く、土日休みは要相談としているところが大半です。
臨床心理士の年収は勤務場所によって左右される
臨床心理士の年収目安 は350〜500万円前後となって いますが 、給料水準は勤務場所によっても異なります。
以下では、臨床心理士の平均年収を勤務先別に紹介します。
病院でカウンセラーとして働く
臨床心理士の資格を生かして病院でカウンセラーとして働く場合、正社員の月収は25万円前後、年収にすると300〜400万円です。
非常勤でいくつかの病院をかけ持ちして働いている人も多く、その場合は時給で1,500円前後です。
精神科医の平均年収は約1,429万円 、看護師や臨床検査技師の平均年収は500万円程度であるため、病院でカウンセラーとして働く臨床心理士の平均年収は、職場を同じくする他の医療従事者と比較すると、決して高いほうではありません。
しかし、病院を就職先に選ぶと、臨床心理士として整った環境で働けるメリットがあります。
学校でスクールカウンセラーとして働く
学校でスクールカウンセラーとして働く場合は非常勤が大半で、基本的に給料は時給制です。
1校あたり1日の勤務時間は3〜4時間が多く、複数の学校をかけ持ちしている人も多くいます。
学校でスクールカウンセラーとして働く臨床心理士の平均年収は約580万円です。
平均年収は、地域や学校で決められている時給や、かけ持ちしている学校の数、勤務日数などによっても異なります。
一般企業でカウンセラーや人事として働く
一般企業で産業カウンセラーや人事部門所属社員として働く場合、キャリアコンサルタントのようなコンサルタント系職種に就くケースと、産業医が在籍しているような大企業で非常勤カウンセラーになるケースが考えられます 。
一般企業で産業カウンセラーや人事部門所属社員として働いた場合の平均年収は300〜400万円で、企業の規模によっても異なります。
非常勤の場合の給料は時給制がほとんどで、時給は1,200円前後からとなります。
より安定した収入を得たい方は、正社員として働くのがおすすめです。
公務員試験を受けて公務員になる
臨床心理士には、公務員試験を受けて公務員になる方法もあります。
国家公務員と地方公務員のいずれにも心理系職種の募集があり、公務員として働く臨床心理士の初任給は21万円前後です。
勤続年数が長くなると、年収600万円ほどにもなると言われています。
公務員の臨床心理士の年収は、他職種の公務員とさほど変わりませんが、民間機関に勤めるよりも100〜200万円ほど年収が高くなります。
臨床心理士の年収は勤務先やキャリア設計で差が出る
臨床心理士の年収目安 は350〜500万円で 、臨床心理士として年収1,000万円といった高収入をめざすのは厳しいかもしれません。
しかし、複数の資格を取得してキャリアアップすれば、平均年収以上の収入を得ることも可能です。
就職・転職を検討している方で年収に不安を感じている方は、キャリア設計を立てて年収アップをめざしましょう。