保育士として就職・転職する際は、まず志望動機を聞かれます。
志望動機に盛り込まれた熱意や経験は、採用者側にとって重要な判断材料です。
この記事では、志望動機として伝えるべきポイントや注意点をまとめました。
新卒・中途などキャリア別だけでなく、パート・アルバイト・正社員といった雇用形態別の例文もご紹介します。
保育士の志望動機のまとめ方がわからず悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
【状況別】保育士の志望動機の書き方・例文
志望動機の具体的な書き方と例文を、以下3つの状況別にチェックしましょう。
- キャリア別
- 雇用形態別
- 施設・分野別
自分の状況に適した形で記すとよりアピールしやすくなるため、志望動機を書く際の参考にしてください。
キャリア別の志望動機
以下3つのキャリア別に具体的な志望動機の例文をご紹介します。
- 新卒・未経験
- 転職・中途採用
- ブランクからの再就職
例文を参考に、ご自身の経験やスキルとあわせてアレンジしてみてください。
なお、結論から書き出して、次に理由を述べると伝わりやすくなります。
新卒・未経験の場合
新卒や未経験の場合、当たり前ですが保育士の経験はありません。
その分、未経験ならではの意欲や性格の明るさ、どういった保育士になりたいかといったビジョンなどを伝え、積極的な姿勢をアピールしてみましょう。
私が通っていた保育園も少人数制で、先生の膝の上で絵本を読んでもらったり、園庭で遊んでもらったりと楽しかった記憶があります。
私も保育士として貴園で園児一人ひとりに寄り添った保育をしたいと考え、応募いたしました。
私は4歳の頃から水泳やテニスをし、父親とよく外で遊んでいました。
最近の子どもは身体を動かす機会が少ないといわれていますが、身体を動かす楽しさを子どもたちに伝え、自分も積極的に関わりたいと考え、応募いたしました。
転職・中途採用の場合
転職や中途採用の場合、これまでの経験を踏まえて次はどうスキルアップしたいのか、具体的に伝えましょう。
また、辞めた理由はポジティブに説明します。
前職の不満点を指摘しても、良い印象を持たれることはないでしょう。
この経験を活かし、これからはたくさんの子どもたちと関わり、それぞれの特性に応じた保育が行えるようになりたいと考え、大規模な貴園を志望いたしました。
ブランクからの再就職の場合
出産や育児などの理由で休職していた場合、再就職したいと思ったきっかけとブランク中の経験の活かし方を具体的に伝えましょう。
自分や友人の子どもと一緒に過ごし成長を見守っていましたが、やはり保育士に復職したいと考え始めました。
実際に自分が母となったこともあり、子どもたちだけでなく保護者の方のサポートもできる保育士をめざすつもりです。
雇用形態別の志望動機
雇用形態によって、保育士に求められるものが異なります。
ここでは、以下2つの雇用形態別に志望動機の例文をご紹介します。
- 正社員の場合
- パート・アルバイトの場合
例文を参考にアレンジしてみてください。
正社員の場合
正社員の場合は、責任感が強いこと、残業にも臨機応変に対応できることなどをアピールすると好印象です。
意見が活発に出せる雰囲気づくりに努めたところ、後輩も前向きな姿勢で園の運営に取り組んでくれました。
現在、引越しをするため転園先を探していますが、人の気持ちを大切にする貴園に魅力を感じています。
今までの経験を活かし、明るくのびのびとした環境づくりに貢献できたらと思います。
また、貴園の取り組みには積極的に関わらせていただくつもりです。
パート・アルバイトの場合
パート・アルバイトの場合、早朝や夜の延長保育に対応できる保育補助として採用される場合が多いため、園が求める時間帯で働けるかアピールしてみましょう。
また、即戦力として求められるため、志望動機ではこれまでの経験やスキルをアピールしましょう。
子育てにも慣れ、もう一度保育士に復職したいと考え、貴園に応募いたしました。
子育て中ですが同居している母の協力も得られるため、シフトは可能な限り対応します。
施設・分野別の志望動機
働く園によって求められる人材は異なります。
例として4つのケースを想定してみましょう。
- 公立保育園の場合
- 私立保育園の場合
- 小規模保育園の場合
- オープニングスタッフの場合
具体的な志望動機の例文を紹介するので、書き方をアレンジしてみてください。
公立保育園の場合
市区町村によって保育方針や配属先が異なるため、自分が志望する自治体の保育政策については事前に調べておくことが必要です。
自分の保育観と自治体の保育方針をすり合わせ、「なぜこの自治体の公立保育園なのか?」について説明できるようにしましょう。
それと並行して自治体のイベントにボランティアとして参加し、保育園の現場だけでなく、保護者や地域の人たちとコミュニケーションをとりながら、子どもの成長を見守ることの大切さを実感しました。
○○市では、地域の人と触れ合う取り組みが実施されており、自治体で子どもたちの成長に向き合う保育方針に共感しております。
私立保育園の場合
私立保育園は、園によって保育理念が異なり、特徴もさまざまです。
例えば、英語や茶道などの教育活動に力を入れている園や、延長保育や早朝保育といったサービスが充実している園などがあります。
自分の考えと保育理念の一致点を伝え、なぜその園に魅力を感じたかアピールしましょう。
私立保育園で5年間保育士として勤務してきたなかで、外遊びや園外での体験が子どもたちの成長に与える重要性や、家庭でそれを実践する難しさを実感しました。
貴園は外遊びや園外での遊びをとおして、子どもたちの身体と心の成長を育むことを理念としており、前職での経験を生かしながら貢献できればと考えます。
小規模保育園の場合
小規模保育園は子どもの定員が6〜19人と少なく、2歳児までの乳児に限って受け入れているところもあります。
そのため、即戦力として活かせるスキルがあれば積極的にアピールしましょう。
2歳までの乳児は言葉で表現できないので、泣き方・表情・ちょっとした身体の動きから、どういう関わりをしたら良いのか察しなければなりません。
前職で経験してきた保育を貴園でも活かしていきたいと考えております。
オープニングスタッフの場合
オープニングスタッフの場合、保育方針への共感に加え、新設ならではのメリットに魅力を感じたことが伝わるようにまとめましょう。
オープニングスタッフのメリットは、
- 人間関係をゼロから築き上げられる
- キャリアアップしやすい
- 保育園を自分たちの手で育てられる
などが挙げられます。
現代社会は核家族化が進み、さまざまな世代の人と関わる機会が減少しています。
そういう時代にあって、世代を超えた交流を大切にする貴園の保育方針に共感いたしました。
また、新しくオープンする環境でスタッフと意見を出し合い、子どもたちが自立心を育める環境を築き上げていきたいと考えております。
保育士の志望動機で伝えるべきポイント
志望動機は自分の保育観を示し、園のどういったところに魅力を感じたのかを伝えるためのものです。
新卒でも中途でも、また正社員でもパート・アルバイトでも、どのような場合でも共通です。
採用者側は「園が求める人材か」「園に貢献してもらえるか」を見ていると考えましょう。
なぜ保育士になったのか
保育士になろうと決めた理由やきっかけは、自身の性格・保育観をアピールできるポイントです。
「子どもが好きだから」だけでなく、「子どものどういった部分が好きなのか」と深掘りすると、仕事に対する熱意が伝わりやすくなります。
たとえば「石ころを集めてお店屋さんごっこを始めるなど、なんでも遊びに変えてしまう子どもたちの豊かな発想力が好きです。子どもたちの持つ想像力をさらに発展させられるような関わりをしたいと思い、保育士になりました」など、独自性を出してみましょう。
どうしてその施設を志望したのか
保育理念・保育方針は施設ごとに異なります。
自分はなぜその施設を志望したのか、どういったところに魅力を感じたのか、根拠をしっかりと伝えることが大切です。
あらかじめホームページや資料などで園の方針を確認し、ほかの施設にはない特徴を把握しておきましょう。
たとえば、自然豊かな少人数保育の園を志望するなら、なぜ自然豊かな環境や少人数での保育に魅力を感じるのかはもちろん、なにを実現したいのかまでアピールします。
どういった保育士になりたいのか
今後どのような保育士になりたいか、また志望する園だからこそ自分が成長していけると思う理由を知ってもらいましょう。
これまでの経験で磨いたスキルや強みをどのように活かし、園に貢献していきたいかをアピールすることが大切です。
採用する側が、「この人と一緒に働きたい」「この人となら一緒に成長できる」と思うような内容にまとめましょう。
【履歴書・面接】保育士の志望動機の注意点
保育士の志望動機を履歴書に書くときや面接を受ける際、以下の3つに注意しましょう。
- ネガティブな表現は避ける
- 具体的な志望動機を意識する
- 給料面や待遇面は志望動機に入れない
それぞれ詳しく解説していきます。
ネガティブな表現は避ける
転職や再就職などで前職の退職理由を説明する際、ネガティブな表現は避けましょう。
不満や愚痴をストレートに表すと、悪い印象を持たれる可能性があります。
たとえば「小規模保育園で人が足りず大変だった」という理由の場合、「一人ひとりに心を配る細やかな保育経験を大規模な貴園でも活かせる」など、表現を工夫してみると良いでしょう。
また、体調不良を理由に退職した場合、「入職してもすぐ退職されてしまうかも」と不安に感じさせてしまいます。
「現在は問題なく働けます」とアピールすることも大切です。
具体的な志望動機を意識する
複数の志望園がある場合、それぞれの保育園に合った具体的な志望動機を意識しましょう。
とはいえ、保育士になった理由やなりたい保育士像は大きく変えなくても大丈夫です。
保育園の特徴や保育方針をしっかりとらえ、求められる人材がどういう人なのか考えることが大切です。
また、志望動機には自分なりの経験談や自身の性格・考え方を絡めると、オリジナリティをアピールしやすくなります。
給料面や待遇面は志望動機に入れない
志望動機のなかでは、給料や待遇に触れないほうが無難です。
条件ばかり気にしているととらえられ、実際の保育についてどう考えているのか伝わりにくくなるからです。
どうしても盛り込みたいのであれば、「自宅からの距離が近く残業も少ないため、長く働き続けられると考えました」と前向きな姿勢で伝えるようにしましょう。
いずれにしても、採用条件ばかりの志望動機では良い印象にはならないため、なるべく避けるのが得策です。
保育士の履歴書の書き方・伝え方のポイントを押さえよう
保育園の志望動機の書き方・伝え方のポイントは、志望する園の規模や方針によってさまざまです。
また、保育士としての経験年数・雇用形態によっても伝えるべき志望動機は異なります。
ネガティブな表現を避けつつ自分の経験やスキルを盛り込めば、前向きでオリジナリティある志望動機になるでしょう。
記事内でご紹介した例文を参考に、履歴書や面接でポイントを押さえた志望動機を披露してみてください。