新型コロナウイルスの蔓延により、医療従事者の需要は高まっています。
そのなかでも看護助手は、就業のハードルが低いことから、特に注目されている職種 の一つです。
今回は、看護助手の平均給料を正社員とアルバイトに分けて解説します。
男女別、地域別の給与や、収入を上げるコツも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
看護助手の平均給料はいくら?
コロナ禍に見舞われたことによって、医療従事者の需要が高まってきています。
看護助手もその一つです。
では、看護助手の給料はどの程度なのでしょうか?
正社員とパート・アルバイト に分けて解説します。
正社員で働く場合【平均年収は318万円】
令和5年賃金構造基本統計調査によると、看護助手の平均月収は約22.2万円 、ボーナスは年間約51.3万円 、年収では約318万円です。
2010年は月収が約19.6 万円、ボーナスは約45.9万円 、平均年収は約281万円。
2015年は月収が約20.6 万円、ボーナスは約43.1万円 、平均年収は約293万円でした。
このように、平均年収は徐々に上がってきており、需要の高まりにともなって今後も賃金アップを期待できる職業だといえます。
また、給与は年齢によっても変わります。
年齢 | 平均月収 | 平均ボーナス |
~19歳 | 約20.0万円 | 約35.4万円 |
20〜24歳 | 約20.6万円 | 約29.8万円 |
25〜29歳 | 約21.3万円 | 約70.6万円 |
30〜34歳 | 約20.8万円 | 約38.3万円 |
35〜39歳 | 約23.7万円 | 約96.6万円 |
40〜44歳 | 約22.8万円 | 約44.5万円 |
45〜49歳 | 約23.1万円 | 約54.3万円 |
50〜54歳 | 約23.4万円 | 約71.8万円 |
55〜59歳 | 約22.8万円 | 約49.6万円 |
60〜64歳 | 約21.3万円 | 約31.5万円 |
65~69歳 | 約20.5万円 | 約23.7万円 |
70歳〜 | 約20.1万円 | 約6.8万円 |
男女で年収は変わる?
年収には年齢による差のほか、男女差もあります。
令和5年賃金構造基本統計調査 によると、男性看護助手の平均月給は23.9万円、ボーナスが39.2万円で、平均年収は326万円です。
これに対し、女性看護助手の平均月収は22.0万円、ボーナスが53.3万円で、平均年収は317万円です。
このように、男性のほうが女性に比べて平均年収は高くなっています。
パート・アルバイト で働く場合【東京の平均時給は約1,250円】
アルバイトやパートの場合は、地域差が給与額に大きく影響します。
都道府県 | 平均時給 |
東京都 | 約1,200円 |
兵庫県 | 約1,100円 |
大阪府 | 約1,100円 |
神奈川県 | 約1,150円 |
埼玉県 | 約1,050円 |
大分県 | 約950円 |
※2024年4月時点
ご覧のとおり、最も平均時給が高いのは兵庫県や大阪府などの関西圏で、関東圏が続きます。
また、大都市ほど時給が高い傾向があり、大分県の時給は東京都よりも250円安い状態です。
看護助手が給料を上げるには?
看護助手が給与を上げるには、以下の3つの方法があります。
- 資格を取得する
- 夜勤の日数を増やす
- スキルアップで役職を上げる
それぞれ詳しく解説します。
資格を取得する
看護助手に役立つ資格として、メディカルケアワーカー があります。
メディカルケアワーカーとは、看護助手実務能力に関する日本初の民間資格です。
1級と2級があり、医療福祉情報実務能力協会が規定する実務経験を1年以上積むか、協会指定の教育機関で特定の講座を修了すれば、2級を受験できます。
試験では身体の働きや薬の作用、患者さん対応時のマナーなどが問われます。
1級は、2級の範囲に心理学や実技が追加された内容です。
看護助手認定実務者試験 という資格も、看護助手の仕事に役立ちます。
看護助手認定実務者試験は、看護助手が医療施設において即戦力として活躍するために必要な知識と技能が備わっているかを、客観的に判断する試験です。
試験は全国医療福祉教育協会が主催しています。
出題内容は以下の3項目で、受験資格は特にありません。
- 患者の理解
- 看護助手業務と役割の理解
- 看護助手業務を遂行するための基本技術
受験方法は2パターンあり、在宅での個人受験と、全国医療福祉協会が指定する認定機関の講座受講後の団体受験です。
講座によっては修了するだけで資格を取得できるものもあります。
夜勤の日数を増やす
夜勤には基本給のほかに手当がつくため、夜勤を増やせば収入アップが見込めます。
夜勤手当は、1回あたり5,000円〜1万円程度です。
ただし、昼夜が逆転して体調を崩してしまうリスクがあります。
健康を損ねて仕事を休むようでは本末転倒ですので、無理は禁物です。
スキルアップをして役職を上げてもらう
給料を上げるには、スキルアップして役職を上げてもらうのも効果的です。
介護施設勤務の場合、看護助手から介護主任、ケアワーカーリーダーと役職が上がっていきます。
また、病院やクリニックで働く看護助手の場合、看護師をめざす選択肢もあるでしょう。
看護助手は離職率が高く、平均勤続年数は8.5年 です。
経験豊富な人材は重宝されるため、長く勤めれば役職をもらえる可能性は高まるでしょう。
行政も介護業務に携わる方を対象に、勤続年数が長い方の処遇を改善する施策を公表しており、 長期勤務による給与アップが期待できます。
スキルを身につけて給料アップを目指そう
看護助手は、医療系の職種としては給与水準が低めになりますが、資格を取得したり、夜勤の日数を増やしたりすれば給料アップを図れます。
また、離職率が高い分、長く勤めている方は重宝されるため、同じ施設に長く勤務すれば、役職や給与アップにつながりやすいでしょう。
もし、現在働いている職場で給料のアップが見込めないと感じたなら、転職を視野に入れるのも一つです。
今回紹介した年収やボーナスの相場を自身の給料と比較し、今の働き方で良いのかを見直してみましょう。