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薬剤師国家試験の難易度は?新卒・既卒で差は出るのか

薬剤師になりたい人のなかには「今年の薬剤師国家試験の難易度を知りたい」「薬剤師国家試験の難易度を予想したい」と思っている人もいるでしょう。
薬剤師になるには膨大な時間がかかるため、めざす前に薬剤師国家試験についてくわしく知っておく必要があります。

この記事では薬剤師国家試験の合格率を紹介します。
国公立や私立大学の合格率はもちろん、新卒者と既卒者の合格率も解説するので、ぜひ参考にしてください。

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薬剤師国家試験の難易度は?

薬剤師国家試験の難易度は?

薬剤師の国家試験を受けるには、まず薬学部のある大学に入学する必要があります。
その後、薬学共用試験や実務実習を経て、卒業見込みまたは卒業した人が受験資格を得られます。
現在の薬学部には6年制と4年制があり、薬剤師になるには6年制大学に行かなければなりません。
そのため、膨大な時間とお金がかかります。

また、薬学部を卒業して受験資格を得たとしても、必ずしも全員が薬剤師国家試験に合格するわけではありません。

一方で、きちんと学校に行ってしっかりと勉強をすれば合格は可能です。
薬学部に入学して卒業ができれば、薬剤師国家試験は決して難しすぎるものではないでしょう。

薬剤師国家試験は年によって難易度が違う

薬剤師国家試験は、例年より難易度が高めの年があるという人がいます。

たとえば、複数回受験した人のなかには、改訂や新規導入があった1年目の試験は簡単になり、2年目は難しくなり、3年目以降は普通になる、と体感したという意見があります。

では、実際の合格者数はどのようになっているのでしょうか。
厚生労働省の第102回~第106回薬剤師国家試験の合格発表は以下のとおりです。

受験者数 合格者数 合格率
第106回 14,031名 9,634名 68.66%
第105回 14,311名 9,958名 69.58%
第104回 14,376名 10,194名 70.91%
第103回 13,579名 9,584名 70.58%
第102回 13,243名 9,479名 71.58%

合格率を見る限りは取得しやすい資格と考えられます。

ただし、薬学部は入学および卒業するのが難しいため、合格率だけで簡単だとはいい切れないでしょう。
しっかりと勉強し、薬学部の卒業を見込めるレベルにたっしていれば、難易度はそこまで高くありません。

薬剤師国家試験のストレート合格は大学によって差がある

薬学部のある大学は全国に存在していますが、大学の偏差値はさまざまです。
順調に進級してストレートで国家試験に臨めるかは、大学での学習環境や個人の努力によって異なります。
国立大学と公立大学、私立大学の主要大学の合格率をまとめたのでご覧ください。

【国立大学】※抜粋

出願者数 受験者数 合格者数 合格率
東京大学 20名 17名 13名 76.47%
京都大学 39名 38名 28名 73.68%
東北大学 28名 28名 23名 82.14%
北海道大学 37名 36名 31名 86.11%
九州大学 41名 40名 33名 82.50%

出典:厚生労働省医薬・生活衛生局 第106回薬剤師国家試験 大学別合格者数

国立大学全体の合格率は81.3%です。
国立大学は受験生の人数が少なく、すべての大学の合格率が70%を超えています。

【公立大学】

出願者数 受験者数 合格者数 合格率
岐阜薬科大学 103名 100名 79名 79.00%
静岡県立大学 96名 92名 80名 86.96%
名古屋市立大学 89名 83名 71名 85.54%

出典:厚生労働省医薬・生活衛生局 第106回薬剤師国家試験 大学別合格者数

公立大学全体の合格率は83.64%です。
公立大学は受験人数が多いにも関わらず、80%を超える高い合格率になっています。

【私立大学】

出願者数 受験者数 合格者数 合格率
北海道医療大学 199名 172名 117名 68.02%
慶應義塾大学 171名 160名 131名 81.88%
第一薬科大学 407名 302名 95名 31.46%
日本薬科大学 415名 337名 154名 45.70%
北里大学 298名 281名 248名 88.26%
名城大学 272名 246名 228名 92.68%
立命館大学 112名 101名 85名 84.16%

出典:厚生労働省医薬・生活衛生局 第106回薬剤師国家試験 大学別合格者数

私立大学全体の合格率は67.75%です。
私立大学は学校によって合格率に差があり、90%を超えている大学もあれば、30%台、40%台のところもあります。

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薬剤師国家試験を既卒で合格するのは不可能ではないが難しい

薬剤師国家試験をストレートで合格できなかった場合、次の年以降もチャレンジすることになります。
しかし、既卒者の合格率は新卒者に比べると低い傾向です。

厚生労働省の第106回薬剤師国家試験の結果についてによると、新卒者の合格率が85.55%なのに対し、既卒者の合格率は41.29%でした。

既卒者の合格率が低い理由はさまざまです。
モチベーションが保てず勉強がおろそかになってしまった人もいるでしょう。
場合によっては、試験勉強と就職活動を同時に進めなければならず、勉強時間が削られてしまった人もいるかもしれません。

新卒での試験で点数が少し足りなかった場合は、次の試験までしっかりと勉強することで合格する可能性は高まります。
しかし、合格まで10点以上足りなかった場合は、同じ勉強方法を続けても合格できない可能性があります。
その場合は、根本的な勉強方法を変えないと難しいでしょう。

薬剤師の資格を取るために、私立大学では6年間で学費約1,200万円という大金を投資しなければなりません。
できるだけ新卒で合格するように意識して勉強しましょう。

薬剤師国家試験の難化とは?

ここでは、薬剤師国家試験の合格率が下がり、試験問題が難化しているといわれている理由を解説します。

薬学生の学力低下

厚生労働省の薬学部教育6年制及び薬剤師に関する状況によると、薬学部は規制緩和によって、2003年度から2008年度にかけて28学部増えました。
さらに2018年度から2021年度にかけても公立や私立大学の薬学部の新設が行われています。

薬学部新設により薬学部への入学者が増加し、入学のハードルは以前よりも下がりました。
こうした背景から、学力面で追い付けない学生の退学率が高まる、試験の合格率低下を招く、といった状況も見られるようになりました。

国家試験の問題様式の変化

国家試験の問題様式が変化したことも、試験内容が難化したといわれる原因の一つです。
以前の試験内容は選択肢の消去法で回答できましたが、現在は思考しなければ解けない問題が増えています。

さらに、医療現場での実践力や応用力を問う問題も増えており、知識を暗記するだけでは対応できません
考える能力が求められることが多くなったため、しっかりと勉強しないと合格基準を超えることが難しくなっています。

薬剤師国家試験は順を追ってきちんと勉強すれば合格する

この記事では、薬剤師国家試験の合格率や難易度を解説しました。
薬剤師資格の難易度を知って、難しさに驚いた人もいるかもしれません。

薬剤師国家試験を受けるには、まず大学の薬学部で6年間学び、卒業見込みまたは卒業をする必要があります。
大学によって国家試験合格率に差があるので、大学選びの時点でしっかりと考えたほうが良いでしょう。

また、新卒者と既卒者では合格率が大きく変わります。
そのため、大学ではきちんと勉強して、できるだけストレート合格をめざしましょう。

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