保健師をめざすにあたって、自分が保健師に向いているのかを考えておくことは大事なことです。
今回は保健師に必要な能力や適性だけでなく、向いていない人の特徴も解説していきます。
また、保健師は種類によって働く場所が異なるため、その種類ごとの適性と活かせる資格や経験を紹介します。
目次
保健師に向いている人は?
保健師は行政機関・企業・学校・病院などで保健指導を行い、人々の病気予防や健康維持に尽力する社会にとって重要な仕事です。
そんな保健師に向いているのはどのような人なのでしょうか?
保健師に必要なスキル・能力と、向いている性格・適性を紹介します。
保健師に必要なスキル・能力2つ
まず、保健師に求められるスキルや能力を2点紹介します。
高いコミュニケーション能力
保健師は関わる相手の幅が広いため、誰とでも円滑にコミュニケーションをとる能力が求められます。
健康相談にのる際は、相談者と信頼関係ができていないと悩みを聞き出せず、適切な指導ができなくなってしまいます。
そのため、信頼関係を築く対話スキルが重要です。
また、講演会や健康教室を開催する場合は大人数を相手にしたり、専門家とチームで仕事をしたりすることもあります。
一対一だけでなく、一対多のコミュニケーション能力も優れていると、円滑に仕事を進めることができるでしょう。
優れた観察力
保健師が関わる人のなかには、乳幼児など自ら不調を訴えることができない人も多くいます。
そういった人の不調を見つけるには観察が必要です。
そのため、観察力が優れていることも、保健師に必要なスキルといえるでしょう。
些細な身体の変化や心の機微を感じ取ることが病気の早期発見につながるため、予防医療の観点において観察力は役立つ能力といえます。
保健師になる方法に関しては以下の記事をご参照ください。
保健師に向いている性格・適性3つ
次に、保健師に向いている性格・適性を見ていきましょう。
3つのポイントに分けて紹介していきます。
人と関わることが好き
人と関わることが好きな性格は、保健師に向いているといえます。
保健師は健康相談にのったり検診のために訪問したりと、多くの人と接しながら進めていく仕事です。
そのため、人と関わることが好きな人のほうが関係性を構築しやすく、相手も心を開いて健康状態の相談をしてくれるため、仕事を円滑に進めることができます。
明るく親しみやすい
誰とでも明るく親しみのあるコミュニケーションをとれる人も保健師に向いています。
心身に不調がある人は明るさを失っていることも多く、そんなときに明るく親しみやすい態度で接してもらうと、相談しやすい気持ちになるでしょう。
相手の視点に立てる
保健師は健康についてアドバイスをしたり指導をしたりする場面が多くあります。
その際、相手の視点に立って指導することが大切です。
人は自分をわかってくれていると思った相手の言葉のほうが受け入れやすくなります。
そのため、相手の気持ちになって考え行動することのできる人には、保健師の適性があるといえるでしょう。
保健師に向いていない人の特徴2つ
ここまで保健師に向いている人について説明してきました。
ここからは保健師に向いていない人の特徴を2つ紹介します。
アドバイスすることが不得意
保健師の主な仕事は、健康に関する説明やアドバイスをすることです。
そのため、アドバイスが苦手な人は保健師には不向きといえます。
例えば、生活習慣の改善に関する説明をしたとしても、アドバイスが下手で正しく伝わらなかった場合、相手は話に納得せず、健康に対する取り組みをしてくれない可能性があります。
わかりやすい説明をすることは、業務において重要なだけでなく、相手の健康にもつながるポイントです。
コミュニケーションをとることが苦手
コミュニケーションが苦手な人も保健師は難しいでしょう。
保健師の仕事の大部分は人と関わることです。
話すことが苦手な人や、人と関わらずに黙々と仕事をしたい人には向かない仕事です。
保健師の種類別!向いている人や活かせる資格
保健師は働く場所によって、「行政保健師」「産業保健師」「学校保健師」「病院保健師」と4種類に分かれています。
種類ごとに向いている性格や活かせる資格を見ていきましょう。
行政保健師
- 老若男女問わず誰とでもコミュニケーションがとれる人
行政保健師は、地域住民の健康維持が役割のため、乳幼児や子供、高齢者など老若男女問わず幅広い層の人たちと接します。
そのため、産業保健師など他の保健師に比べて、さまざまな年齢や立場の人と接する場面が多いのが行政保健師の特徴です。
年齢・性別問わずどのような相手とも明るく接し、円滑なコミュニケーションをとれる人が特に向いています。
産業保健師
- 交渉・提案・解決力のある人
- 自発的に動くことのできる人
産業保健師はストレスチェックの結果などをもとに従業員と面談を行います。
業務を調整したほうが良いと判断した場合、該当部署に提案をする必要があります。
適切な交渉・提案を行って、相手の健康状態に対して適切な対応をすることが産業保健師に求められるでしょう。
また、企業によっては、産業保健師を一人しかおいていない場合もあり、しっかりとしたマニュアルがない企業も少なくありません。
そういった場合でも、自ら考えて行動できる人が産業保健師には向いています。
学校保健師
- 生徒たちの気持ちに寄り添うことができる人
- 養護教諭の資格がある人
生徒が健やかに学校生活を送れるようサポートすることが学校保健師には求められるため、生徒の面談をして相談にのる場面が多くあります。
教師や親と違った立場から親身になって寄り添うことが必要です。
養護教諭の資格があるとプラスに働くでしょう。
必須ではありませんが、多くの求人に応募でき間口が広がるため有利です。
学校保健師は行政保健師などに比べて求人数が少なく、倍率が高 い傾向があるといわれています。
養護教諭の免許を持つことで、他の応募者と差別化できるためおすすめです。
病院保健師
- 看護師経験のある人(病院によっては兼務も可能です)
看護師経験は病院保健師にとってプラスです。
患者さんに病気やその後の生活についてわかりやすく説明することができる他、経験を活かして看護師の相談にのることもできます。
また、病院によっては兼務が可能な場合もあり、仕事の幅を広げることができるでしょう。
保健師に役立つ経験
保健師に役立つ経験は、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
医療現場でのアルバイト経験
学生の場合は、医療現場でのアルバイトやボランティアを経験すると将来役立ちます。
看護助手など資格がなくてもできる仕事もあるため、そういったことを経験して医療現場を知ることで、保健師の仕事に就いたあとに活かすことができます。
看護師経験
看護師の経験は、保健師の仕事にも役立ちます。
看護師の仕事を経験している場合、より踏み込んだアドバイスをできることが利点です。
例えば、退院後の生活相談にのる場合、看護師経験があるとその病気に罹患して治療している段階を診ているため、相談されたときによりわかりやすくアドバイスができます。
保健師をめざすにあたり自分の適性を知ろう
今回は、保健師に向いている人の特徴について紹介しました。
保健師は人々の健康相談にのってアドバイスをすることがメインの仕事であるため、人との対話が主となります。
そのため、コミュニケーション能力が高く、誰とでも親しみを持って接することのできる人が向いている仕事といえるでしょう。
逆にコミュニケーションをとることが苦手で、アドバイスや説明が不得手な人には難しい職業です。
また、保健師は行政、産業、学校、病院と働く場所ごとに種類が別れています。
それぞれ接する相手や仕事内容が異なるため、自分の適性に合っている職場はどこなのかを事前に考えておくことが大切です。
保健師をめざすにあたって、まずは自己分析を行い、自分は保健師に向いているのか、どの分野で活躍したいのかを事前に検討しておきましょう。