調理師免許を取得するためには、学校に通わず独学で学ぶ方法があります。
調理師試験は独学でも十分合格できる見込みがありますが、勉強にはコツが必要です。
この記事では、調理師免許を独学で取得するための勉強方法やコツ、おすすめの参考書、独学のつらい点とその対策などを解説します。
調理師免許の取得を検討している方や、調理師免許を取得するために学校に通ったほうが良いのか迷っている方は、参考にしてください。
目次
調理師免許は独学で合格をめざせる?
調理師免許は、独学での取得が可能です。
調理師試験の合格率は、全国平均で60%程度です。
参考書や問題集を使ってしっかりと試験対策をすれば、独学でも十分合格できる可能性があります。
しかし、働きながら試験勉強をする場合は、仕事の疲れで勉強する気力が湧かなかったり、集中できなかったりすることもあるかもしれません。
うまく勉強できない場合は、朝早く起きて勉強時間を確保する、隙間時間を見つけて効率的に勉強するなど、自分に合う方法を見つけて工夫しながら勉強しましょう。
調理師免許は2年以上の実務経験が必要
独学での取得は可能と前述しましたが、調理師免許の試験を受験するためには、2年以上の実務経験が必要です。
指定の調理師学校に通えば実務経験や試験なしに調理師免許を取得できますが、学校に通っていない場合は飲食店などで2年以上調理の実務経験を満たしたうえで、試験に合格する必要があります。
独学でも取得できる調理師免許は、実務経験を積めば社会人になってからも取得できるチャンスがあります。
そのため、調理師免許は料理の分野で勤務していてキャリアアップしたい方や、ほかの業種から調理師にキャリアチェンジしたい方におすすめです。
実務経験なしの場合は学校に通う必要あり
調理の実務経験がない人が調理師になるには、都道府県知事の指定を受けた調理師学校に通う必要があります。
調理師学校では、栄養学や公衆衛生学など、調理師として必要な知識を学べるだけでなく、同じ目標を持った仲間に出会いやすい環境です。
社会人で他分野から調理師の道に進みたい方や、調理の分野で働いているけれどより体系的な知識を得たい方は、学校に通って一から学び直すのも良いでしょう。
調理の道に進むことを決めている中学生や高校生は、調理師学校に通うのがおすすめです。
実務経験を経ずに調理師試験を取得したい方は、次の記事を参照してください。
調理師免許を独学で取得する勉強方法とコツ
調理師試験は独学でも合格できる可能性がありますが、勉強にはコツがいります。
調理師試験は試験に出題される範囲が広いので、効率的に勉強する必要があるからです。
独学での勉強方法やコツを解説します。
参考書は全体の流れをつかむために使う
調理師試験の参考書は、全体の流れを把握するために使うことをおすすめします。
調理師試験は出題される範囲が膨大なので、参考書のすべての内容についてすみずみまで目を通すのは効率が悪いからです。
参考書は一度目を通す程度に留めておいて、問題集を解きながら疑問点や不明点があれば都度参考書を確認するやり方が効率的です。
時間がたっぷりある方は参考書を片っ端から覚えていく方法でも良いかもしれません。
しかし、働きながら勉強する方は時間が限られている場合もあります。
その場合は、始めから参考書をすみずみまで理解する勉強方法はおすすめしません。
問題集や過去問は繰り返し解く
調理師試験の問題集や過去問は、何度も繰り返し解くようにしましょう。
調理師試験は4択のマークシート方式なので、参考書の内容を丸暗記する必要はありません。
正しい答えやその組み合わせを選ぶ問題では、例題を何度も繰り返し解いて多くの問題に触れたほうが、スムーズに解答しやすくなります。
間違えた問題をチェックしておき、チェックがついた問題を中心に解き直す方法が効率的です。
勉強時間が限られている方は、効率性重視で勉強を進めていきましょう。
調理師免許を独学で取得するための勉強期間とは
調理師試験のための勉強時間は、人によって異なります。
出題内容の知識がある方とない方では、理解する時間や知識を覚える時間が異なるので、一概にはいえないからです。
また、勉強を効率的に進められる方とそうでない方とでも、必要な勉強時間は異なります。
働きながら取得する方は、1日1~2時間程度の勉強を半年以上はしておいたほうが良いかもしれません。
調理師免許の独学におすすめのテキスト・参考書
独学で調理師試験の勉強をする方には、テキストが必要です。
ここでは、調理師試験におすすめのテキストとして以下の2冊を紹介します。
- 【参考書】調理師読本〈2022年版〉
- 【問題集】調理師試験問題と解答〈2022年版〉
【参考書】調理師読本〈2022年版〉
2022年版 調理師読本 – 第一出版株式会社オンラインショップ
調理師試験を独学で勉強する方は、『調理師読本〈2022年版〉』がおすすめです。
『調理師読本〈2022年版〉』は、日本栄養士会が編集しているテキストです。
調理師試験に出題される公衆衛生学・食品学・栄養学・食品衛生学・調理理論・食文化概論の6科目を詳しく解説しています。
毎年改訂版が発売されているので、最新のデータや法律の改正にも対応しています。
そのため、自分で改定内容を調べる必要がありません。
合格後に調理師として働くうえでも役立つ内容になっている点も、おすすめポイントです。
【問題集】調理師試験問題と解答〈2022年版〉
2022年版 調理師試験問題と解答 – 第一出版株式会社オンラインショップ
調理師試験を独学で勉強する方は、『調理師試験問題と解答〈2022年版〉』がおすすめです。
『調理師試験問題と解答〈2022年版〉』は、『調理師読本〈2022年版〉』と同じく日本栄養士会が編集している試験問題集です。
総問題数550題以上なので多くの問題に触れられますし、丁寧な解説もあるため理解を深められることが期待できます。
また、参考書と同じ出版社の問題集を使うことで、参考書で復習する際に該当ページを見つけやすいため、スムーズに勉強を進められます。
調理師免許の独学でつらいところ
調理師試験を独学で受験する場合は、勉強に工夫が必要な点や、実務経験を積むのに時間がかかる点がつらいと感じる場合があります。
しかし、勉強のコツをつかんだり、実務経験を有意義な時間にしたりすることで、つらいと感じにくくなるでしょう。
独学のつらいと感じやすい点や、対策を紹介します。
勉強に工夫が必要
調理師試験を独学で学ぶ場合は、勉強に工夫が必要です。
独学だと、勉強のモチベーションを維持しにくいことがあるからです。
調理師学校に通えば、勉強せざるを得ない環境に身を置くことになりますし、同じ目標を持つクラスメイトがいて刺激になるでしょう。
独学していて「勉強のやる気が出ない」という方は、勉強仲間を見つけるのも一つの方法です。
また、独学だと知識に抜けや偏りが生まれる可能性もあります。
自分では意識していなくても、興味がある分野をメインに勉強して、苦手な分野を避けている場合もあるかもしれません。
知識の抜けや偏りが生じないように、間違えた問題に印をつけておき、不明点はしっかりと理解するようにしましょう。
実務経験を積むために時間がかかる
調理師試験の受験資格を得るためには、2年の実務経験が必要です。
そのため、時間がかかる点がつらいと感じる方もいるでしょう。
また、試験に落ちたら、再度受験しないといけないのでさらに時間がかかります。
実務経験を「試験のため」という意識ではなく、実際に「調理師として働くうえで必要な知識や考え方を身につける勉強期間」という意識でとらえれば、時間がかかることに対するネガティブな感覚は薄れるのではないでしょうか。
調理師試験の勉強をしっかりとしておき、確実に合格できるようにしておくことも大切です。
調理師免許は働きながら独学取得がめざせる資格
調理師免許は、独学でも十分取得をめざせる資格です。
しかし、独学で学ぶ場合は、効率的に勉強するために参考書や問題集の使い方に工夫が必要です。
また、独学だと知識の抜けや偏りがあったり、勉強のモチベーションを保てなかったりと、さまざまなデメリットが生じる可能性があります。
独学のコツさえつかんでしまえば、働きながらでも効率的に勉強できます。
この記事で紹介している独学の方法やコツを参考にすれば、合格に近づくでしょう。