ドラッグストアなどで市販薬を購入する際、具体的な相談ができる登録販売者がいると心強いものです。
軽度の症状なら自宅でケアする人が多くなってきた近年、求人需要の増加にともない登録販売者を目指す人も増加傾向にあります。
そこで今回は、登録販売者試験の出題範囲や合格率、申し込み方法、試験の時期など、試験の概要をご紹介します。
目次
登録販売者試験の内容
登録販売者は、簡単にいうと一般用医薬品販売を専門にした資格です。
薬剤師がいなくても第2、3類医薬品薬が販売できる ためドラッグストアでの需要も高く、毎年多くの人が受験しています。
では、登録販売者の試験はどのようなものなのでしょうか。
試験の時期や受験資格、出題範囲などについてくわしく解説します。
試験日程はいつ?
登録販売者の試験は、毎年8月〜12月頃に行われています。
具体的な試験日は住んでいる地域によって異なるため、確認が必要です。
登録販売者の試験は、全国を10ブロックに分け、地域ごとに実施されています。
例えば北海道と東北6県の試験は8月頃ですが、九州では試験が12月中旬頃に行われます。
試験日程を知りたい場合は、自分の地域がどこのブロックなのかを確認してから調べましょう。
受験資格
登録販売者試験は受験資格がない試験です。
過去には実務経験や学歴などの条件がありましたが、2015年以降は誰でも希望すれば受験できるようになっています。
ただしこれは、登録販売者の資格を取るのに条件はないという意味です。
実際に職場で登録販売者として働くためには、資格のほかに実務経験が必要になります。
資格を取得しても、すぐに店舗管理者になれるわけではありません。
出題範囲
登録販売者試験の問題は厚生労働省が示す「試験問題の作成に関する手引き」に基づいて作成されます。
以下のような内容が出題範囲になります。
- 医薬品に共通する特性と基本的な知識
- 人体の働きと医薬品
- 主な医薬品とその作用
- 薬事関係法規・制度
- 医薬品の適正使用・安全対策
問題数は全120問で、それぞれの分野の問題数は以下のとおりです。
- 医薬品に共通する特性と基本的な知識(20問)
- 人体の働きと医薬品(20問)
- 主な医薬品とその作用(40問)
- 薬事関係法規・制度(20問)
- 医薬品の適正使用・安全対策(20問)
試験は午前の部と午後の部に分かれており、それぞれ60問ずつを120分の制限時間内に回答していきます。
合格基準
登録販売者試験は、問題数全体での正答率と各科目ごとの正答率の2点で判断されます。
問題数全体で見た合格基準は正答率7割です。
問題数は全120問なので、合格するためには84問以上の正解が目安になります。
もう一つの合格基準は、どの科目でも最低3割5分以上正答することです。
登録販売者の試験に合格するためには、各科目の知識をバランス良く備えていなければならず、得意科目だけ突出しても合格にはなりません。
たとえ全体で84問以上正答していても、基準に満たない点数の科目があれば不合格になることもあります。
独学で合格できるか?
登録販売者試験の勉強は幅広いため、一人で勉強するのは難しいと感じる人もいるでしょう。
しかし結論からいうと、登録販売者試験は独学でも合格できます。
登録販売者試験の内容はある程度範囲が決まっており、大きな変動はありません。
わかりやすいテキストを揃えて覚えるべきポイントを学び、過去問をできるだけ多く解いて暗記すれば、自然に知識が身につきます。
ただし、法改正で試験問題が変更されることもあるので、過去のテキストだけで学ぶのは良くありません。
できるだけ最新のテキストを用意し、過去数年分の過去問を解いて試験に備えましょう。
独学での登録販売者試験に不安があり、難易度や合格率をくわしく知りたい人は、以下の記事も参考にしてみてください。
登録販売者試験の申し込み方法3ステップ
登録販売者試験を受けるためには、定められた方法で申し込み手続きを済ませ、受験票を受け取る必要があります。
登録販売者試験の申し込み方法は複数あるため、少し手間取るかもしれません。
ここでは、登録販売者試験の申し込み方法を3ステップに分けてご紹介します。
【ステップ1】願書の入手方法を選択する
最初に行うのは、願書の入手です。
登録販売者試験の申し込み方法は3種類あり、それぞれに入手方法や配布場所が異なります。
以下で詳しく解説するので、自分の都合にあった方法で入手してください。
各都道府県の配布場所
一つ目は、各都道府県の配布場所で直接願書を受け取る方法です。
登録販売者試験の願書は、各都道府県の管轄部署や保健所などで配布されています。
配布場所が近いか、配布期限が迫っている場合は、直接配布場所で受け取るのが確実でしょう。
ただし指定された場所での配布は時間が決まっていることも多く、せっかく足を運んでも手に入れられないこともあります。
感染症対策などを理由に、直接入手を控えるよう促されることもあるので、一度受け取り予定の配布場所へ連絡してみると良いでしょう。
郵送
直接配布場所へ行けないときは、郵送での取り寄せも可能です。
郵送で入手する方法の手順は以下のようになっているので、漏れがないように準備してください。
- 返信用封筒としてA4サイズの紙が入る大きさの角形封筒を用意する。
- 返信用封筒の表面に自分宛の住所氏名を書き、140円切手を貼る。
- 別の封筒を用意し、願書を希望する旨を書いた便箋と返信用封筒を入れる。
- 封筒の表に送付先を記入し、朱書きで「登録販売者試験受験申請書送付希望」と書いておく。
- 重さに応じた切手を貼り送付する。
上記の方法で送付すれば、問題なく願書が郵送されてきます。
ただし、注意しなければならないのが、願書の受付期間です。
郵送には日数がかかるため、期限ギリギリに送付すると申し込みが間に合わなくなるかもしれません。
郵送で願書を入手するときは、時間に余裕を持って準備しましょう。
ホームページからダウンロード
登録販売者試験の願書は、各都道府県のホームページからダウンロードすることもできます。
ダウンロードなら配布時間を気にせず自宅から入手できるので、時間がなかったり遠方で移動が難しかったりする人でも、簡単に願書を手に入れられます。
ホームページの指示にしたがって願書をダウンロード・印刷してください。
※都道府県によってはホームページからのダウンロードができないケースもあります。
【ステップ2】申し込みに必要な書類を準備する
願書が手元に届いたら内容を確認しながら記入し、申し込みに必要な書類を準備します。
提出しなければならない書類は以下のとおりです。
- 受験申請書(願書)
- 写真
- 受験手数料分の収入証紙
- 返信用封筒
登録販売者試験の受験料の支払い方法は、都道府県ごとに異なります。
都道府県の収入証紙を願書に貼付するケースや、納入通知書により指定の金融機関の窓口で納付するケースなどがあります。
【ステップ3】申し込み書類の提出方法を確認する
書類がすべて揃ったら、指定された提出方法で願書を提出します。
提出方法は郵送がほとんどですが、都道府県によっては窓口で直接提出できるところもあります。
提出方法は都道府県・ブロックによって違うので、事前によく確認してから期限に間に合うよう提出してください。
願書が無事提出されたら、受験者本人の自宅に受験票が届きます。
受け取った受験票は内容を確認後、試験日まで大切に保管してください。
遅くとも試験日の2週間前までに受験票が届きます。
もしこの期間を過ぎても届かないようなら、各都道府県の申し込み先に確認の連絡を入れましょう。
登録販売者試験の受験前に試験内容や申し込み方法を知っておこう
登録販売者試験は、幅広い範囲の中から出題されます。
誰でも受験できますが、合格するにはすべての知識をバランス良く身につけなければなりません。
受験の願書は窓口や郵送・ダウンロードの方法で入手が可能です。
詳細は、都道府県・ブロックのホームページで確認できます。
登録販売者試験を受けるときは、勉強をするだけでなく、申し込み方法も事前に一通り確認しておきましょう。